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生活

山形縦断旅行記 2024 夏

この夏、山形に初上陸した。公共交通機関を使う旅行では行くところ、バスや電車に乗る時間を細かく決めてnotionにまとめておくのだけど、今回はレンタカーで移動したので細かい準備がいらず、また多少予定が遅れてもなんとでもなるのでとても楽だった。

関東から山形に行くには新幹線か飛行機の2択。新幹線の方が本数は多いけど時間がかかるのがネック…(2泊3日ガッツリ遊びたい)ということで今回は飛行機で移動。二酸化炭素排出量は気になるけど飛行機大好きなんだよね・・。

 

山形空港に降り立ちすぐ向かったのは山寺。空港から車で30分。

閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声

これまでライブとかコンテンツツーリズムとかの目的でしか旅行って計画しなかったけど、ふと関東にいるうちに東北で行ったことがないところにもっと行っておきたいなと思った。そこで東北好きの友達に聞いたところ「やはり芭蕉さんの山寺でしょう!」ということで今回の旅を思い立った。あまり日本史や俳人にも明るくなく、芭蕉さんに至っては閑かさやと夏草やくらいしか知らないのだけど、山寺自体はとっても良いところだった!!

行くまでは山形は涼しいところだと勘違いしていたが、実態は盆地なのでとても暑い・・。この日は朝雨が降っていたのでそこまで気温は上がらなかったけど、それでも暑い。

階段を登り始めると、森の中を歩いていくので湿度が低く、それだけで涼しい。木陰だし。あと朝10時ごろに登りはじめたので他の観光客も少なく、わりと快適に登れた。たださすが1,000段以上あることもあり、すぐに汗だくになるのであった。夏になるなら塩タブレット必須。1段上がるごとに煩悩が減るというが、確かに目の前の1段を無心で上がっていくので無駄なことは考えずに頭を空っぽにして登り切ることができた。個人的にはそこまで大変な量の階段ではなく楽しく登って降りられた。平泉の坂の方がきついかな。

この写真の見切れている右側の建物だけは風がとても良く通ってとても涼しい。

山頂付近にある売店の店員さんに「カモシカの親子がいるよ!」などと教えてもらい、良く見える場所に移動して写真を撮った。(その写真はない)鹿のいる日常を送ってはいないので、それだけでも新鮮。

 

山寺の滞在時間は1時間半ほどで、昼頃に降りてきたら観光客の団体(ツアーっぽい人たち)がいたので、やはり朝のうちに行く方が快適だと思われる。この日は雨が降ったり止んだりな天気だったけど、木のおかげでそんなに濡れないし無心にはなるし自然や古の建造物の中に身を沈めるのはとても良い。蝉の声もちゃんと聞けたよ。

降りてきた後は入り口の前の売店で玉こんにゃくを食べ、近くの蕎麦屋で蕎麦とずんだ餅を食べた。田舎で食べる蕎麦っていいよね。

 

午後は垂水遺跡へ

午後、雨が降る中垂水遺跡へ行ったのだけど、下調べしてきた通り軽いハイキングな道のり。最低でもスニーカーが必要だね。無礼をお許しくださいと謝りながら垂水遺跡で雨宿りさせてもらい、そういえば雨の中外にいるなんていつぶりだろうかなどと思った。都会にいると建物(自宅)か乗り物の中かくらいしか選択肢がない気がする。日常生活だと雨に濡れるのは嫌なので極力避けるが、非日常の旅行では濡れるのすらちょっと楽しい。この後温泉宿に泊まることになってたし。

計画段階では、垂水遺跡を巡るガイドツアーに参加してもいいなと思っていたけど、結果論としてやめてよかった。歴史を解説してもらいながらじっくりまわるのは楽しそうだけど、こんな雨の中案内してもらうのは大変なのでまた次回来たときに利用しようと思う。

 

無事に垂水遺跡も1時間半程度でまわって、かき氷を食べて休憩。

その後、山寺芭蕉記念館に行って芭蕉さんの勉強をする。(遅い)この頃には晴れてきて、雨上がりのジリジリした太陽光がしんどかった。日傘を車に忘れたのをとても後悔したので今後は気をつけたい。

 

夜は温泉宿に泊まった。16時ごろに着いた後、即温泉に入る。誰もおらず、貸切状態、最高。夜ご飯は山形牛の食べつくし料理。普段質素な生活をしているので旅行の時ぐらいたらふく食べる!昭和終わり〜平成初期に建てられたっぽいお宿でとても好きな雰囲気だった。

 

2日目は鶴岡市加茂水族館へ。天童市の宿から高速使って1時間半程度。

プリズムみたいになってて綺麗なクラゲ

前座的に(失礼)魚やイソギンチャクの展示があり、その後はおなかいっぱいになるほど大量のクラゲ。クラゲといえば、我が母校の教授がノーベル化学賞を受賞したGFPオワンクラゲ、越前クラゲ、カツオノエボシくらいしか知らない、というなんというクラゲ無知・・。海でクラゲに会うと刺されないか心配だよね、くらいの認識しかなかったことを謝りたい。

この水族館で感動したのは、クラゲの種類や飼育数もさることながら、展示の細かさ。博物館みたいにポスターもたくさんあるし、クラゲの分類や生活環、毒について黒板に手書きで書いてあって愛を感じた。(それと同時に餌代がすごいってことらしいから必死なんだろうなとも)

リニューアルを機に爆発的に来場者数が伸びてなんとかなっているという水族館の歴史の展示もあって、こういう文化資源は守っていかないとダメだよねと再認識。ただ最近は多くのクラゲを展示する他の水族館も増えてきているし、新たにオリジナリティを出さないと今後・・と思って世知辛い。競争でも奪い合いでもないんだけどねえ。

こちらも午前中に行って11時半ごろ出てきたけど、出る頃にはチケット購入のために外まで列が伸びていたので早めの来場が良さそう!一部工事をしていたようなので、完全体になった時にまた行けるといいな。

 

美食の街 鶴岡市ということで、ナポリピッツァ協会認定の緑のイスキアさんへ。採れたてと思われるコーンが乗ったホワイトソースのピザはとても美味しかった。ザクロジュースも飲みたかったなと未だに後悔している。

 

その後、1時間ほど車を飛ばし、最上川の川下りへ。

最上峡芭蕉ライン観光

乗る前はアッチイアッチイと受付 兼 お土産屋のクーラーで涼んでいたけど、船に乗るために川の近くまで降り立つと体感気温が全然違う・・!!!

船頭さんは日によって変わるようだけど、最上川最大のウリ(?)はおしんの撮影スポットを見て解説を聞けるということのようだ。ただすまない、、おしん見たことない・・・・。(生まれてない)でも人が住んでいないこともあり電線すらなくて、そんな山の姿すら初めて見たのでおお〜と思いながら話を聞いた。2箇所くらい、他の川と合流する地点があり、そこでは軽いアトラクションのように水飛沫が飛ぶ。

50分ほどかけて川下り。山の方からヒグラシの鳴き声が聞こえた。川幅が広いおかげでいつもは鬱陶しい蝉の声も遠く響くだけで、風流だなと思った。私の日常生活は電子音やキーボードのタイピング音など人工的なものに溢れていて、自然の近くに来る機会が本当に少ない。ランニングコースの大きめの公園ですらすぐに信号に当たるし。こういった景色に触れる機会をもっと増やしたいなと改めて思った。

一番いい感じの写真を載せたつもりだけど、良さが1/10000も伝わらない気がする。この山と川しかない風景が見渡す限り360°ってのは感動だったな。ただ田舎の人に言わせると「ウチの裏の山と変わらん」らしい。

近くに山があるところに住みたいが、現実問題で生計をどう立てるかなど考えてしまう。こういう自分の嗜好からしてもっと潰しの効く職業についたり資格を取ったりするべきだったのかも、など。人生は思い通りにいかない。

 

宿に帰ってまたしても貸切風呂と山形牛食べつくしの夕食をいただく。今回お邪魔したのは天童グランドホテル舞鶴荘。繁忙期が終わった直後だったそうでお客さんは少なかった。部屋もアップグレードしてもらえたし、ところどころ時代を感じるものはあったけどよく手入れされていたと思うし良い雰囲気だった。

 

最終日は秋田県の南まで

最終日は朝から車をぶっ飛ばし、秋田県の小安峡へ。日差しがきつい、階段が長い、川でありながら温泉が噴き出しておりとても暑い、そして迫力よ。温泉宿に泊まってきたばかりなのに、こういうのを見るとまた温泉に入りたくなる。

私は山梨とか長野の山には馴染みがあるけど東北の山道は初めてで、前者の山とはまた違う景色だと感じた。なんていうか東北の方が大きいけど道幅はたっぷり確保してあって一つ一つの山が独立している感じ。山梨、長野は狭いところに山が連なっていてトンネルで突っ切るイメージ。まあ私はあまり車を運転しないので、自分でじっくりまわったらもっと違う印象を持つかもしれない。

お昼は近くで稲庭うどんを食べた。讃岐うどんとかきしめんには馴染みがあるのだけど、こちらは細いのにしっかりとした歯応えでうどんによってこんなに印象が違うのかと驚いた。

川原毛地獄

その後川原毛地獄へ移動。前回硫黄山を見たのは道東だった。ここは緑の山のすぐ隣に灰色の山があり、こんなすぐ近くで共生ができるもんなの・・と不思議な気分。歩道が閉鎖されていて中には入れなかったのと、硫黄ガスはしんどいのでまわりを少し歩いただけで去ることにした。小安峡もそうだけど紅葉の季節に行けるといいなあ、でもここは秋から積雪で封鎖されてしまうようだった。

 

その後、道の駅で途中下車しながら山形空港へ。スイカ解禁の直前だったのでスイカは食べられず。でもその後スーパーで尾花沢のスイカを見るたびにおっ!と思うようになったよ。3日間の走行距離、500km!笑 今回は有名どころを中心に見てまわったし秋田は片足突っ込んだだけだったので次行く時は小規模でも面白そうなところに行けるといいなあ。

iPhone15、とても綺麗な写真は撮れる反面、容量が半端ないので圧縮の手間もあるし写真はこれくらいにとどめておく。。

おわり。